西神田の名店紹介 「一膳」その3 〜心機一転独立編〜

ビール飲んでるだけだとお腹が空いてくるので
なんか食べたいっすねー。

そんな時はこれ!

またまた一膳名物!海鮮お好み焼き!
これ旨いんですよ〜。
揚げ玉のサクサク感がタマランのですよ。
この写真じゃそれがいまいち伝わらないのが残念ですが…

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銀座の喫茶室「おちあい」を拠点に、多くの喫茶店の開店を手伝っていた水村忠奥さん。今度は日本橋の喫茶店を手伝う事になりました。
「そしたらそこが売り上げ伸びなくてさー」
「先生に怒られるんだよ、お前、売り上げ伸びるまでずっとそこにいろ!ってさー。俺は銀座もどりたいのに」

ーああ、それは厳しいですね。
「それでも頑張ってさ、やっと売り上げのびてきて、これで銀座に戻れそうってときに親父が亡くなったの。」
「そこでいろいろ考えて、銀座やめて自分の店出そうっていう事にしたんだよ。」

ー転機ですね。
「そうだね。」

〜〜〜喫茶室「みづむら」の時代〜〜〜

ー最初は違う場所に作るかもしれなかったんですよね?
「最初は水道橋西口の庄屋二号店があるところにしようかと思ってたんだよ。
でも当時は道がまだ舗装されてなくて、ぐっちゃぐちゃでさ、そこはやめたの。」
「今になってみりゃあ、そこにしとけば良かったって思うけど、
その頃はわかんないからね〜」

ーそれで今の場所になったんですね。独立したの何歳頃ですか?
「24、5歳だったな。最初は『喫茶室 水村』にしようかと思ったんだけど、
その頃はひらがなの店名がはやってたんだよね。銀座の『おちあい』とか。
それで『みづむら』にしたの。」

ーなんか純喫茶って感じですねえ。
「洒落てるでしょ。」

ー最初すごいはやったらしいですね。
「フロアに黒服着たボーイを三人置いたんだよ。今でいうイケメンってやつね。」
「そしたら女性客がいっぱい来てさ、昼間なんか行列できるくらいだったよ。」

ーええ〜!まるでホストクラブじゃないですか。
「その頃、普通のサラリーマンの月給が二万五千円から二万八千円くらいの時代に
一日の売り上げ六万くらい。」

ー稼ぎましたね〜。他の喫茶店のお客さん取っちゃったんじゃないですか?
「今、韓国料理のチェゴヤがあるところにさ、当時、美人喫茶ってのがあったんだよ。」

ーは?美人喫茶?なんですか急に。そういう名前の喫茶店?
「いや、店名はそうじゃないんだけど、フロアにかわいい女の子がいるわけよ。
で、『あそこに美人喫茶がある!』って評判でさ、」

ーあ〜そういう事ですか。てことはアレですか、男性客は美人喫茶に行って、女性客は喫茶室みづむらに行くって感じですかもしかして。
「そういう事だね。」

ーうーん、他の喫茶店がちょっとかわいそうな気がしないでもないですが。まあでも感じのいい店員がいるとまた行こうって気になりますよね。で、肝心のメニューはどんな感じだったんですか?
「コーヒー150円で紅茶も150円だけど、紅茶はポットに入れて出したの。今までポットで出す紅茶って無かったんだよ。うちが初めて出したの。」

ーあら、また日本初ですか!そういえばコーヒーゼリーは出したんですか?
「うん。コーヒーゼリーは250円。あと、紅茶ゼリーってのも俺考えてさ。」

ーお!また日本初?でも紅茶ゼリーって初耳ですね。
「これ作るの難しいんだよ。うまくやらないと濁っちゃう。でも俺がつくるのは透明で評判良くて、それ食べるためにわざわざ遠くから来るお客さんもいたよ。」

ーへ〜、食べてみたいですね。気になりますね。
「あとサンドイッチも人気あったよ。洗面器いっぱいのレタス使うんだけど、塩もみすると1/5くらいの量になるの。それ使って三人前しか取れない野菜サンド450円。」

ーおおヘルシーメニューですね。野菜サンド僕も好きです。
ところで内装とかはどんな感じに?
「これもウチが初めてやったんだけどさ、中のお客さんが見える感じにしたの。」

ーここでも出ました日本初!でも今までの喫茶店は違ってたんですか?
「それまでの喫茶店はね、通りに面した壁はガラスになってても結局カーテンで隠すか、いろいろ飾りつけて隠すかしてたんだよ。
でもウチのは、円盤にメニュー書いてそれをいっぱい下げたの、そうすると、シャボン玉の大きいのがいっぱいある間からお客さんがチラッと見えるんだね。外から。」
「そしたら、それみんなマネするんだよ。」

とってもアイデアマンな店長、水村忠奥さん。
普段からいろんなアイデアメニューを出してくれますが、昔から新しいものを考えるのが得意だったんですね。なんか分かるような気がします。

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当時使っていた灰皿。手作りの焼き物です。
このひび割れに時代を感じますねー。

それにしても、そんなにもはやってた”喫茶室みづむら”ですが、それを脅かす大きな流れが迫って来たのでした。その流れの正体とは?次回「波瀾万丈篇」へ続く!

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○食酒処 一膳
東京都千代田区西神田2-4-9
03-3264-2733
営業時間:
11:15~14:0017:00~23:00
※ここでの営業は2011年6月24日(金)までになります。