西神田の名店紹介「とんかつ かつ村」 その2

皆さんこんにちは!
西神田町会の須崎です。
かつ村intervewの第二弾をお送りしますよ〜。完結篇です!
最初はトンカツ屋じゃなかったんですって。知ってました?
◇かつ村intervew2 〜〜かつ村の前身〜〜
ー大学卒業して、ボウリングやめてお店始めたんですか?
「いや、最初は製紙会社に就職したんだよ。」
ー製紙会社ですか
「そこはいい会社なんだよ。なかなか入れないよそこは。紹介してもらって入れたんだけどさ。」
ーへえ〜会社の名前は何ですか?
「あの〜、十条にある会社だよ(※日本製紙?十条製紙?聞いたのですがちょっとうろ覚えです)
二年働いてやめちゃったけどね」
ーあらそうですか。
「うちで店やれっていうからさ。で、あんみつ屋やったの。」
ーええ!?あんみつ屋?
「うん。俺、甘いもん好きだからさ。」
ーおお!いいですねストレートで!
「最初は自由が丘にあるあんみつ屋で一年修行したんだよ。」
ーあ、最初はやっぱり修行なんですね。店の名前は何だったんですか?
「何だったっけな〜?自由が丘のホームの上の方にあるお店だよ。
そこであんみつとかぼた餅とか作ってたんだよ。何つったっけな〜?」
ーああ・・・、で、一年修行してお店始めたんですか?
「うんそう。甘味処みつよしって名前にしたの。」
ーみつよし?
「あんみつの『みつ』に嘉夫の『よし』でさ。おふくろがつけてくれたんだよ。」
ーあ〜なるほど!いい名前ですね〜。
「でしょ。あんみつとかお汁粉とかだしてさ。結構はやったんだよ〜。
その頃学生がいっぱいいてさ。共立女子大とかさ。
あの頃地下鉄ないから中央線乗ってみんな来たんだよ。」
ーへえ〜。いいですねえ。
「で、あんみつだけじゃ何だっていうんで、ラーメンも出すようになったの。」
ーへ?ラーメン??甘味処でラーメンですか?
「うん。甘いもん食べたあと、そばとか食いたくなんない?」
ーえ?いや…それはあんまりないような…
「なるよ〜。甘いもん食べたあとって、しょっぱいもんとかラーメンとか食いたくなんだよ。」
ー普通、逆じゃないですか?ラーメンの後に甘いもん…
「いやいや、それが当たったんだよ〜!」
ーそうなんですか!
「ああ。そん時、ラーメン一杯300円で、あんみつは280円で出しててさ、
ラーメンは一日100杯くらい出たよ。」
ーあら〜すごいですね〜。
「24人入ると店いっぱいになるんだけど、いつもいっぱいだったよ。
みつよしは10年やったなあ。」
いやあ、コワモテのかつ村さんからは想像つかない(失礼!)
まさかの甘味処!そうか〜、かつ村さん甘党だったんですねえ。
そういえば、おみやげで持っていった炭酸煎餅(ほんのり甘い)パリパリ食べながら
色々お話してくれましたね。
でも、あんみつ→ラーメン の流れは逆ですよねえ?
◇かつ村intervew3 〜〜かつ村誕生〜〜
ー甘味処10年やって、それからかつ村ですか?
「うん。まず御徒町の井泉ってとこ行って2年修行してさ。」
ー2年!やっぱり修行は大事なんですね〜。
(調べたところ、御徒町の井泉は老舗の名店で、「お箸できれるやわらかいとんかつ」で評判なんだそうです。)
「だからうちのとんかつはちゃんとしてんだよ。揚げるまえにちゃんと肉をたたくからね。」
ーあ〜そうなんですか(←シロート)
「安いところなんかは剣山みたいなのでつっついて終わりだけどうちは違うんだよ。
肉をたたく専門のチョッパーってのがあるんだよ。高いんだよ〜。1本二万円くらいするやつ。
独立するときに一本もらってきたんだよ。」
ー二万円!すごいですねえ。
「あと安いとこなんか冷凍肉使ったりしてるけど、あれはだめだね。
冷凍との違いはすぐわかるよ。」
ーかつ村のとんかつ美味しいですけど、そんな秘密があったんですね〜。
「かつ村始めて2、3年はお客さんい〜っぱいだったよ。昼も夜も。
この頃、夜やってる店って、うちと一膳と、あと2軒くらいしかなかったからね〜。もう大変だったよ〜。」
ー従業員は?
「調理場に、男7人、女4人、あと小僧も3人いたな。
ー結構いたんですね!
「従業員同士けんかしてやめちゃったりとかもいたけどね。独立してったのもいるな。」
ーおお暖簾分けですか。
「暖簾分けっていうか、まあ独立だね。葛西橋とか錦糸町とかに洋食系の店出してるのいるよ。」
ーへえ〜。そうやってかつ村の味を伝えてるんですね。
「あと庄やがさあ、この辺にとんかつの店を出したいからっていうんでさ、庄やにとんかつ教えてやったこともあるよ。」
ーあ、あの庄やですか?
「うん、白山通りにマツキヨあんじゃん。そこの二階に出してたよ。とんかつ村っつってさ。」
ー庄やにとんかつを教えた男ってことですね!
「テレビの取材来た事もあったな。それは2、3年前の話だけど。お店探訪とかいう。あのアナウンサー、たばちゃんとかいってたな。」
ーあ〜、あらぶんちょですね。へ〜撮影あったんですか。
「カメラマンとか連れて、5、6人で来てたよ。で、とんかつ食わしてやってさ、焼酎とかも飲ませてやってさ。三週間くらい放送してたのかな。それ見たって人が結構来てくれたよ。」
ーお〜、いいですね〜。でもこの店いつもお客さん入ってますよね?
「いや〜最近はきびしいよ。ほかにも店いっぱいできたからね。昔はさあ、出前とかもやったんだよ。古書会館とかさ、あと専大とか、日大とか。」
「今は大変だよ〜。廃油だってさあ、昔は業者に1缶渡してで300円もらっててたんだけど、今は逆に払わなきゃいけないからね。それが二週間で10缶出ちゃうんだよ。」
ーそうですか〜。大変なんですね。
「俺も、もう
歩けなくなっちゃったしね。まあでも、店は今は息子がちゃんとやってくれてるけどね。」
ーとんかつ、相変わらず美味しいですよ!かつ村さん、町会の集まりとかにも出られるようになるといいですね!
「そうだよ〜。またみんなと飲みてえよ。」
ーそうですよ〜飲みましょうよ〜。え、家で飲んだりしてるんですか?
「え?ああ、飲むっつっても、ちょーっとだけだよ。」
ーそうですか。じゃあ今度是非!今日はありがとうございました。すみません急に押し掛けて。
「ああ、いや、おみやげまでもらっちゃって悪いね。みんなによろしく言っといてよ。」
今回、急な訪問だったにもかかわらず、
暖かく迎えてくれたかつ村さんでした。
訥々とした話し方に優しい人柄がにじみ出てるんですよね〜。
それにしても、かつ村さんの意外な面がたくさん見られました。
まさに、人に歴史あり、ですよね〜。
色々な話を聞けたことを、とても嬉しく思います。
「とんかつ かつ村」は、今は息子さんが引き継いで、相変わらず美味しいトンカツ揚げてます!
ああ、また食べたくなってきた〜。
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○とんかつ かつ村
千代田区西神田2-5-5 
03-3261-0239
11:45〜14:00 17:00〜22:00
定休日:土日祝